えたーなる
普段、声を荒げるようなことなんて、何ひとつないんですよ。俺はからっぽだから。自分でわかってんだ。だけど昨日は大きい声を出してしまいました。
クニタケヒロキという男がほんとに、初めて見た時から何も変わらず今もずっとそこにいて、かっこよくて、大好きで、
かっこよすぎてムカついちゃったんですよね。
人間じゃないですか。みんなそれぞれ、別々に生きてきた人間じゃないですか。
どんなに好きでも、どんなに気心が知れていても、言ってしまえば自分以外の人間なんて他人じゃないですか。他人なんてどうでもいいはずなんですよ。究極を言えば。
でも、この人は、この人にだけはぶつからなきゃ。そう思ったんです。この人は、俺の世界を、ぶち壊してくれたから。俺もぶち壊してやらないと気が済まない。
その結果、僕は無事粉々になりました。粉々になって砂つぶになって、さらさら〜っとこの街の風に流されていきました。今日はそのかけらを一人でずっと集めていました。
クニさんと本気でぶつかり合ってわかっことがあって。
俺はもっと、かっこよくなりたい。クニさんに負けたくない。クニさんに憧れてるだけの奴にも負けたくない。
すごい歌を作ってやる。
誰もが、じゃない。誰かが、涙が止まらなくて死にかけるような、すごい歌を、作るぞ。
みてろ。